Asdの障害者手帳は取るべきか?等級基準やデメリットの真相と申請手順
Asdの障害者手帳は取るべきか?等級基準やデメリットの真相と申請手順について見逃せない 事実を分かりやすい構成で解説いたします。
編集部が実施したASD当事者および支援現場への取材からは、手帳の取得がもたらす「心理的な転換」に関する数多くの証言が得られました。
都内のIT企業で一般枠のSEとして働きながら手帳を取得した30代男性の手記には、次のような生々しい告白が綴られています。
「新卒以来、口頭指示が理解できず、毎日のように上司から叱責されて自分は無能だと責め続けてきました。30歳手前でASDと診断され、3級の手帳を受け取った帰り道、駅のベンチで涙が止まりませんでした。『自分は甘えていたのではなく、脳の特性によるハンディキャップを背負っていたのだ』という公的な証明を得たことで、長年の自己嫌悪の呪縛から初めて解放された感覚でした。会社には手帳を隠して一般枠で働いていますが、お守りのように財布に入れているだけで、以前より精神的な余裕が生まれています」
一方で、就労移行支援の現場で指導にあたる支援員からは、慎重な視点も投げかけられています。
「手帳を取得して障害者雇用へ移行したからといって、すべてが薔薇色になるわけではありません。障害者枠は一般枠に比べて給与水準や昇進機会が限定される傾向が依然として根強くあります。『合理的配慮を得る代わりに、キャリアアップのスピードが緩やかになる』という構造的なトレードオフを理解したうえで選ぶことが不可欠です」
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
取材データと専門家の分析から導き出される、ASD当事者が手帳を取得すべきかどうかの明確な判断基準は以下の通りです。
【手帳の取得を前向きに推奨する人】
- 一般枠での勤務において心身の限界を感じており、合理的配慮を受けてストレスの少ない環境へ移りたい人
- すでに休職を繰り返しており、就労移行支援や障害者雇用枠の利用を具体的に視野に入れている人
- 所得税・住民税の負担を軽減し、通院医療費(自立支援医療)と併せて手元に残る資金を増やしたい人
- 自身の特性に対する公的な裏付けを得ることで、心理的なセルフケアや自己受容を進めたい人
【手帳の取得に慎重になるべき人】
- 近いうちに民間の生命保険・医療保険や住宅ローンの団体信用生命保険(団信)へ新規加入・見直しを行う予定がある人
- 現在の一般枠での雇用条件や年収水準を最優先したいと考えており、職場での配慮を必要としていない人
- 「手帳を持つこと」自体に対して強い精神的抵抗やトラウマがあり、所持することが自己否定を加速させてしまう恐れがある人