ファンコイルユニットとは?仕組みや違い・選ばれ続ける理由を徹底解説
ファンコイルユニットとは?仕組みや違い・選ばれ続ける理由を徹底解説について押さえておきたい 理由を分かりやすく解説いたします。
なぜホテルや病棟では、家庭用と同様に扱いやすいパッケージエアコンではなく、あえてファンコイルユニットが選ばれ続けるのでしょうか。最大の理由は室内空間における安全性と熱源管理の合理性です。
ファンコイルユニットが持つ3大メリット
第一に、客室や病室の天井裏に冷媒配管を通さないため、万一のガス漏れ事故による酸欠や中毒の危険が皆無です。就寝中の宿泊客や自力避難が困難な入院患者を守る防火・防護基準において、水配管は圧倒的な安全性を誇ります。第二に、地域冷暖房(DHC)の蒸気・冷水網を利用できる地域では、個別の室外機をビル外壁や屋上に並べる必要がなく、建物外観の美観維持や屋上庭園の有効活用が可能です。第三に、モーターとファン、熱交換器という簡潔な構造ゆえに故障要因が少なく、機器本体の実力寿命が20年前後と非常に長い点も挙げられます。
知っておくべきデメリットと「2管式・4管式」の決定的な壁
一方で、管理面や快適性の観点から看過できないデメリットも存在します。それが配管方式による冷暖房制御の制約です。
ファンコイルユニットの冷温水配管方式には、主に「2管式」と「4管式」の2種類があります。
- 2管式(往き1本+還り1本):配管コストが低く、多くの昭和・平成期のビルで採用されました。しかし、配管内には「冷水」か「温水」のどちらか一方しか流せません。そのため、ビル全体で一斉に冷房または暖房へと切り替える運用となり、「春先や秋口の中間期に、日当たりの良い南側の部屋は暑いのに、日陰の北側の部屋は寒くて暖房が欲しい」という個別ニーズに対応できません。
- 4管式(冷水用2本+温水用2本):ユニット内に冷水配管と温水配管が常時接続されており、部屋ごとに年中いつでも冷房と暖房を自由に選択できます。高級ホテルや高度医療機関で標準採用されていますが、配管敷設コストとスペースが2管式の倍近く跳ね上がります。
ビルメンテナンスの現場では、毎年4〜5月や10〜11月の季節の変わり目に、2管式のビルにおいて「冷房が入らない」「暑くて仕事にならない」というテナントからのクレームが集中することが日常茶飯事となっています。