若者を蝕む薬物「リーン」とは?咳止め乱用の罠と死亡リスクの真相

若者を蝕む薬物「リーン」とは?咳止め乱用の罠と死亡リスクの真相に関する疑問を分かりやすくまとめました。詳細な解説をご覧ください。

薬物リーンとは、主にアメリカで処方される医療用のコデイン配合咳止めシロップと、抗ヒスタミン薬であるプロメタジンを配合したシロップを、スプライトなどの柑橘系炭酸飲料で割り、甘味付けにキャンディ(ジョリーランチャー等)を溶かした違法薬物カクテルの総称です。カップを2重に重ねた「ダブルカップ」スタイルで飲まれることが多く、その鮮やかな色合いから「パープルドリンク(Purple Drank)」「ダーティ・スプライト」とも呼ばれます。

この飲み物が極めて危険な理由は、調合される2つの主成分が引き起こす凶悪な相乗作用にあります。コデインは、体内で代謝されるとアヘン系麻薬であるモルヒネへと変換されるオピオイド系鎮痛・鎮咳成分です。脳の中枢神経を麻痺させて激しい多幸感と脱力感をもたらします。一方のプロメタジンの副作用には、強力な中枢神経抑制作用と抗コリン作用があり、激しい眠気を誘発します。

さらに恐ろしいのは、プロメタジンが持つ強力な制吐作用(吐き気を止める効果)です。本来、人間の身体は過剰なアヘン系成分を摂取すると防衛本能として激しい嘔吐を起こしますが、プロメタジンがその防衛反応を遮断してしまいます。その結果、致死量を超える成分が体内に吸収され続け、自覚症状のないまま昏睡状態へと陥り、最終的に脳の呼吸中枢が麻痺して窒息死するのです。パープルドリンクの危険性は、「美味しく飲めるジュース」という外見で脳の警戒システムを完全に欺く点にこそ潜んでいます。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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