楽器の英語表記完全ガイド!通じない和製英語の罠と正しい文法ルール
楽器の英語表記完全ガイド!通じない和製英語の罠と正しい文法ルールにまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
日本国内で広く普及している楽器名の中には、特定の企業が開発した商品名や、日本独自に省略された呼称が数多く混ざり合っています。海外の楽器店やスタジオでそのまま口にして店員を困惑させてしまうケースは後を絶ちません。
代表的な例が、小学校の授業でおなじみの「ピアニカ」です。これはヤマハの登録商標であり、英語圏では「melodica(メロディカ)」、もしくは「blow-accordion」と呼ばれます。同様に鈴木楽器製作所の「メロディオン」も一般名詞ではありません。また、二段鍵盤と足鍵盤を備えた「エレクトーン」もヤマハの電子オルガンの商標名であり、英語圏のミュージシャンに対しては「electronic organ」と説明しなければ楽器の構造すら伝わりません。
略称によるすれ違いも深刻です。日本では電子キーボード全般を「キーボード」と呼びますが、英語の「keyboard」は文脈によってパソコンのキーボードと混同されるリスクがあります。バンド演奏の文脈では通じるものの、機材購入や運搬のやり取りでは「digital piano」や「synthesizer(シンセサイザー)」と明確に呼び分けるのが国際標準です。また、アンプにつなぐ「エレキギター」も和製英語であり、正しくは「electric guitar」です。「エレキ(eleki)」という省略形は海外では一切通じません。
つづりと発音の乖離にも警戒が必要です。例えば木琴の一種である「シロフォン(Xylophone)」は、先頭の「X」が「Z」の音で発音されるため、カタカナ表記に引きずられて「シ」と発音すると通じず、正しくは「ザイロフォン(/ˈzaɪ.lə.foʊn/)」となります。さらに、日本語では平坦に読まれる「ギター(guitar)」や「バイオリン(violin)」は、英語では語尾の第二音節に強いアクセントが置かれます。音節とストレスの位置を誤るだけで、英語圏の耳には全く別の単語として処理されてしまう実態があります。