沖ノ鳥島は島か岩か?中国が異論を唱える真相と護岸工事の現在

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満潮時に海面すれすれまで沈む沖ノ鳥島が、なぜ2026年の今も姿を留められているのか。その裏には、昭和から平成にかけて行われた日本の土木技術の結晶とも言える前代未聞の保全プロジェクトがあった。

1980年代後半、地球温暖化に伴う海面上昇と台風の巨大化により、サンゴ岩礁の削剥が進み、まさに水没危機が現実のものとなっていた。一度でも高潮時に完全に海中に沈んでしまえば、国際法上の「低潮高地」へと格下げされ、領海すら主張できなくなる恐れがあった。危機感を抱いた日本政府は1987年、当時の建設省(現・国土交通省)の直轄事業として総工費約285億円を投じる国家救済工事に踏み切った。

工事は想像を絶する困難を極めた。現場は本土から1,000キロ以上離れた孤海であり、波風を遮る地形が一切存在しない。荒天時には数十メートルの高波が襲来する過酷な現場において、施工チームは直径50メートルに及ぶ巨大な消波ブロックを円形に配置し、その内部を特殊コンクリートで固める堅固な防護壁を築いた。

さらに注目すべきは、露出した露岩そのものを守るための技術革新である。激しい波飛沫と過酷な塩害環境下では、通常の金属ネットは数年で錆びて朽ち果ててしまう。そこで採用されたのが、耐食性に優れた超高純度のチタンメッシュ(チタン製防護ネット)である。自然の岩肌に直接触れることなく、上空からすっぽりとドーム状に覆う形で特殊なチタンネットが施工された。このチタンメッシュ工法により、激浪による破砕を防ぎつつ、自然の陸地としての形状を永久的に維持する体制が確立されたのである。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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