歯茎の腫れに効く市販薬の選び方|抗生物質が必要な危険サインと真相
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歯茎が白く盛り上がり、中に膿が溜まっているのが見えると、指や針を使って自分で潰して出そうとする人がいます。しかし、この「自力での排膿」は歯科医師が最も警戒する危険行為です。
不衛生な器具や手指による圧迫は、雑菌を傷口からさらに奥深くへと押し込む結果になります。最悪の場合、毛細血管を介して細菌が全身へ回る菌血症を引き起こしたり、皮下結合組織に炎症が広がる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」を誘発します。一時的に圧力が抜けて痛みが和らいだように感じても、それは病巣の破壊が進んだだけであり、傷口が塞がれば以前よりも巨大な膿瘍となって再発します。
応急処置として行うべきは、「刺激を与えず冷水で湿らせたタオルを頬の外側から当てること」と「殺菌性洗口液(ポビドンヨードやグルコン酸クロルヘキシジンなど)で強くゆすがずに口内を清潔に保つこと」の2点に尽きます。患部を氷で直接キンキンに冷やしすぎると血流が悪化して組織の回復が遅れるため、冷湿布程度の穏やかな冷却が推奨されます。
また、20代から40代に極めて多いのが「親知らず(智歯周囲炎)による歯茎の腫れ」です。横向きや斜めに生えた親知らずと歯茎の隙間に汚れが溜まり、免疫力が落ちたタイミングで爆発的に腫れ上がります。この部位は顎の骨や喉の深部組織に近接しているため、市販の鎮痛薬で数日間ごまかしているうちに喉が塞がり、呼吸困難に陥って緊急入院となる症例が毎年多数報告されています。親知らず付近の腫れは市販薬で様子を見ず、速やかに抜歯や洗浄の判断を仰ぐ必要があります。