認知症の周辺症状Bpsdとは?暴言や徘徊の原因と最新対策をプロが解説

認知症の周辺症状Bpsdとは?暴言や徘徊の原因と最新対策をプロが解説の疑問点について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

認知症ケアで最も避けるべき初歩的な過ちは、「中核症状」と「周辺症状」をごちゃ混ぜにして捉えてしまうことです。中核症状は脳細胞の死滅によって失われた基本機能そのものであり、現行の医学では元通りに修復することが困難です。一方で周辺症状は、その中核症状に付随して二次的に生じるトラブルであるため、アプローチ次第でコントロールが可能です。

項目中核症状(Cognitive Core)周辺症状(BPSD)編集部の見解・評価主因と発生機序脳血管障害や異常タンパク蓄積による脳神経細胞の脱落・萎縮。中核症状への不安・葛藤に加え、環境変化、身体的苦痛、介護者の態度。周辺症状は「周囲の関わり方」が直接の引き金になるケースが大半。代表的な具体例記憶障害(直前の物忘れ)、見当識障害(時間・場所の喪失)、判断力低下。暴言・暴力、徘徊、物盗られ妄想、幻視、不潔行為、重度のうつ・アパシー。介護者のメンタルを破綻させる直接の要因はほぼ100%周辺症状にある。発症率・出現頻度認知症患者の100%に必発(病状進行に伴い確実に深化)。全体の約70〜80%に出現(適切なケアで出現しない患者も存在)。誰にでも出るわけではない。出ない環境を作ることが最大の防御策。治療・介入のゴール進行を少しでも緩やかに維持すること(薬物による遅延療法)。症状の沈静化・寛解、本人と介護者の平穏な日常生活の回復。中核症状は治せなくても、BPSDをゼロ近くまで落ち着かせることは可能。

さらに、認知症の原因疾患によって現れる周辺症状の質も大きく異なります。国内で最も患者数が多いアルツハイマー型認知症の行動心理症状では、記憶障害を補おうとする焦りから「通帳を盗まれた」と最も身近な介護者を標的にする物盗られ妄想や、夕方になると落ち着きを失う「夕暮れ症候群」が顕著です。

対照的に、レビー小体型認知症の周辺症状では、「壁のシミが虫に見える」「知らない子どもが部屋の隅に座っている」といった極めて鮮明で具体的な幻視が初期から出現します。これに加えて手足の震えや筋肉のこわばり(パーキンソニズム)、自律神経症状、日中の意識レベルの激しい変動が伴うため、アルツハイマー型と混同して抗精神病薬を不用意に投与すると、薬剤過敏性により重篤な副作用を招く危険性があります。疾患ごとの特性を見極めたアプローチが厳格に求められます。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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