求積図とは?地積測量図・公図との違いと絶対に損しない見方をプロが解説
求積図とは?地積測量図・公図との違いと絶対に損しない見方をプロが解説について知っておくべき 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。
建築・不動産の実務で取り扱われる求積図は、測定対象によって「敷地求積図」と「床面積求積図」に大別されます。さらにその計算手法として「三斜求積図」と「座標求積図」が存在し、それぞれ作図ルールと精度が異なります。
1. 敷地求積図と床面積求積図の用途と定義
* 敷地求積図:敷地全体の水平投影面積(真上から見下ろした平面的な面積)を算出する図面。建築基準法上の「建ぺい率」や「容積率」を算出するための基礎データとなります。 * 床面積求積図:建物の各階の床面積や建築面積(建坪)を算出する図面。建築確認申請の設計図書に含まれ、建築基準法施行令第2条に基づき、外壁や柱の中心線(壁芯)で囲まれた部分の面積を計算します。不動産登記法上の建物床面積(マンション内法計算など)と算入ルールが異なる部分があるため、専門的な見分け方が不可欠です。
2. 三斜法による計算の仕組み(三斜求積図)
三斜法(さんしゃほう)は、古くから使われている最も直感的な求積技法です。多角形の敷地を複数の三角形に分割し、それぞれの三角形について「底辺 × 高さ ÷ 2」で面積を求め、最後にその合計値を合算して全体の面積を導き出します。 三斜求積図には、各三角形の番号(例:①、②、③……)、底辺の長さ、垂線(高さ)の長さが克明に記載されます。手作業での検算が容易である反面、「複雑な屈折点を持つ土地では作図誤差が累積しやすい」「測量者によって三角形の割り方が異なり微妙な誤差が生じる」という構造的デメリットを抱えています。
3. 座標法による計算の仕組み(座標求積図)
近年の測量実務において主流となっているのが座標法(ざひょうほう)です。GNSS(人工衛星)測量や光波測距儀(トータルステーション)を用いて、境界点ごとに平面直角座標系(X座標・Y座標)をミリ単位で特定します。 計算には、各境界点の座標値を連続して掛け合わせて面積を算出する「倍横距法(ばいおうきょほう)」や「SIMPSON法」などの数学的アルゴリズムが用いられます。CADソフトや測量計算機によって瞬時に処理されるため、計算ミスや作図誤差が原理的に生じず、極めて高い精度を誇ります。現在の地積測量図や確定測量図に添付される求積図は、ほぼすべてこの座標求積図です。
4. 図面の縮尺基準(求積図の縮尺)
求積図に適用される縮尺は、図面の用途や敷地の広さによって明確に定められています。 法務局に備え付けられる地積測量図の場合、不動産登記規則第77条により、原則として250分の1(広大な土地では500分の1、狭小地では100分の1)で作成することが義務付けられています。建築確認申請に添付される敷地求積図や配置図では、100分の1または200分の1が標準的に採用されます。縮尺の明記がない図面や、「No Scale(ノンスケール)」と書かれた図面は、設計の初期ラフ案に過ぎず、境界や面積の判断基準として利用することは厳禁です。