ダイヤのA奥村光舟の真相|ウルフの過去と背番号・沢村との絆
ダイヤのA奥村光舟の真相|ウルフの過去と背番号・沢村との絆の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
奥村の一軍昇格までの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。当初は二軍スタートとなり、高校野球特有の過酷なフィジカルトレーニングに苦悶しながらも、瀬戸拓馬と共に黙々と居残り練習を重ねます。転機となったのは、春季大会後の二軍紅白戦における神懸かり的なリードでした。控え投手たちの持ち味を巧みに引き出し、試合の流れを支配する能力を首脳陣に見せつけたことで、夏の大会直前に念願の一軍ベンチ入りを勝ち取ります。
一軍に合流した奥村に与えられた背番号は「20」。高校野球において背番号20はベンチ入りギリギリの枠を意味しますが、奥村はこの番号を誇示することなく、ただ静かに御幸の背中を睨み据えながら出番を待ちました。
そして物語最大のハイライトとも言えるのが、沢村栄純とのバッテリー形成です。当初は沢村の暑苦しいノリや直情的な言動に強いアレルギーを示していた奥村ですが、ブルペンで沢村の投球を受けた瞬間にその認識は一変します。打者の手元で激しく変化する沢村の必殺球「ナンバーズ(変化球群)」を次々と完璧に捕球し、沢村自身も気付いていなかった球種の回転やリリースの感覚を的確に言語化して伝達したのです。
御幸が不在の練習試合やアクシデントの際、沢村をマウンドで叱咤し、「あなたの最高の球をミットに投げ込んでくればいい」と迷いを払拭させた奥村の佇まいは、まさに正妻捕手の貫禄でした。先輩である沢村に対して敬意を払いつつも、勝負の場では一切妥協しない奥村のストイックさは、沢村のエースナンバー獲得(背番号1)への大きな推進力となったのです。