サーモンとシャケの決定的な違いとは?生食の秘密と選び方を徹底解説
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「サケ」と「シャケ」という2つの日本語、そしてカタカナ表記の「サーモン」。日常会話では感覚的に使い分けられているこれらの呼称には、言語学的な変遷と昭和末期の食糧戦略が深く関わっています。
まず「サケ」と「シャケ」の呼び方の由来について、言語学や民俗学の文献を紐解くと諸説確認できます。最も有力なのは、アイヌ語で鮭を意味する「サケイブ(またはシャクイベ=夏の食べ物の意)」から転じたとする説や、身が裂けやすいことから「サケ(裂け)」と名付けられたとする説です。平安時代の文献『延喜式』にはすでに「鮭」の文字が記されており、古来の標準的な呼称は「サケ」でした。
では「シャケ」という濁った発音はどこから生じたのか。これは江戸時代後期の江戸言葉、すなわち東京下町の方言に端を発します。江戸っ子の発音傾向として、母音の「サ」が「シャ」へと転訛する現象(例:職人をヒキニンと呼ぶなど)が定着し、明治以降の流通網拡大とともに全国へと浸透していきました。現在でも水産資源としての公的な表記は「サケ」、加工品や大衆料理の文脈では「シャケ」と呼ばれる傾向が残っています。
対して、食卓を大きく変えた「サーモン」の定着は1980年代半ばのことです。当時のノルウェー政府と水産業界が仕掛けた国家プロジェクト「プロジェクト・ジャパン」が発端でした。それまで日本には「鮭を生で食べる」習慣が存在せず、寿司職人たちの間でも「鮭を生で出すなど常識外れ」と猛反発を受けました。そこでノルウェー側は、天然シャケとの混同を避けるため、寄生虫の心配がない養殖大西洋鮭をあえて英語の「サーモン」と呼称してプロモーションを展開。回転寿司チェーンの台頭と軌を一にして、生食文化として定着させました。