最恐の拷問器具「苦痛の梨」の嘘と真相|中世魔女狩り伝説の驚愕実態
最恐の拷問器具「苦痛の梨」の嘘と真相|中世魔女狩り伝説の驚愕実態の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。
では、なぜこのような不気味な器具の伝説が生まれたのでしょうか。そのルーツを辿ると、16世紀末から17世紀初頭の近世フランスにおける犯罪記録に行き当たります。
フランス語で「Poire d'angoisse(アングワースの梨/苦悶の梨)」と呼ばれるこの道具について、17世紀の辞書編纂者アントワーヌ・フュルティエールが記した記録や当時の犯罪年代記には、興味深い事実が残されています。パリで暗躍した悪名高き強盗「ゴーシュ・ド・パリオリー(Gaucher de Palioly)」が、夜間に金持ちの屋敷へ押し入った際、家人に叫び声を上げさせないための「機械仕掛けの猿ぐつわ(口枷)」として使用したという記録です。
被害者の口に押し込み、鍵を回して広げることで口内を完全に塞ぎ、叫ぶことも自力で吐き出すことも不可能にさせる強盗用の道具でした。これが「声を奪う恐ろしい梨」として当時の民衆の間で都市伝説化し、やがて「苦痛をもたらす器具」という名前だけが独り歩きしていったのです。
さらに、当時の外科医療で用いられていた「膣鏡(開創器)」や、金庫破り・錠前師が用いた特殊なピッキングツール、あるいは舞台用の小道具が、後世になって拷問具と混同されたという説も有力視されています。