日本の「夜這い」とは何だったのか?村落の掟と婚姻制度の真実
日本の「夜這い」とは何だったのか?村落の掟と婚姻制度の真実とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
夜這いに対して「誰でも無差別に女性を襲う行為」という誤解が根強く残っていますが、共同体内部では違反者に厳しい制裁が下される厳格な作法とルールが存在しました。
風習の中心にあったのが、村の青年たちで構成される自治組織「若者組(若者宿)」です。若者組は村の治安維持や祭礼の執行、消防などを担う公的な組織であり、村内の夜這いに関する秩序もこの若者組が完全に掌握していました。
記録に残る主なルールには、以下のようなものがあります。
・村外の男の侵入禁止:他村の男性が勝手に村の娘の元へ通うことは原則として禁止され、破った場合は「他所者(よそもの)」として若者組から激しい制裁を受けました。
・女性側の完全な拒否権:夜這いにおいて決定権を持っていたのは女性側です。戸締まりを開けておくことで受け入れの意思を示し、拒絶したい場合は鍵をかけるか、布団の敷き方や合図で明確に拒絶の意思を示しました。女性が嫌がっているにもかかわらず無理強いすることは「不作法」として若者組内で重いペナルティが科されました。
・夜明け前の退出:家長や家族に顔を合わせないよう、夜明け前に必ず立ち去るのが最低限の礼儀とされていました。
このように、夜這いは無法な略奪ではなく、共同体の秩序と合意形成の上に成立した非常に統制された仕組みでした。