「結局食べなきゃ痩せる」の真相と罠|代謝崩壊と猛烈リバウンドの科学
今注目を集めている 「結局食べなきゃ痩せる」の真相と罠|代謝崩壊と猛烈リバウンドの科学について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。
「結局食べなきゃ痩せる」という言説が後を絶たない最大の理由は、開始から最初の3〜5日間で体重が2〜4kgほど劇的に落ちるという強烈な成功体験にあります。しかし、この段階で起きている生理現象を分解すると、ダイエットの真の目的である「体脂肪の減少」とはかけ離れた現実が浮かび上がります。
人体は絶食状態に陥ると、血中のブドウ糖を補うために肝臓や筋肉に蓄えられていたグリコーゲンを最優先で分解します。グリコーゲンは自身の重量の約3〜4倍の水分と結合して体内に留まっているため、これが消費される過程で大量の水分が尿として体外へ排出されます。つまり、開始直後に減った数キロの大部分は、単なる「脱水」に過ぎません。
さらに深刻なのが、グリコーゲンが底をついた直後に始まる「糖新生」と呼ばれる代謝経路です。身体は生命維持に不可欠な血糖値を維持するため、自身の筋肉をアミノ酸へ分解し、肝臓でブドウ糖へと変換し始めます。脂肪1kgを燃焼させるには約7,200kcalのエネルギー赤字が必要ですが、筋肉組織の分解は極めて速やかに進行します。「食べないことで減った体重」の正体は、美しく健康的な身体を支えるはずの骨格筋そのものの喪失なのです。