沖合漁業とは?沿岸・遠洋との違いと魚激減の真相【2026最新】

沖合漁業とは?沿岸・遠洋との違いと魚激減の真相【2026最新】の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

かつて世界一の漁獲量を誇った日本の水産業ですが、農林水産省の生産統計によると、日本の海面漁業・養殖業生産量は1984年のピーク時(1,282万トン)から減少し、現在は400万トンを下回る水準まで落ち込んでいます。この急減の主因こそが、かつて全体の過半を稼ぎ出していた沖合漁業の衰退です。

なぜここまで魚が減ってしまったのか。水産庁の調査資料や海洋研究機関の分析から、3つの複合的要因が浮き彫りになっています。

1. 国際的な200海里水域(排他的経済水域 EEZ)の設定

歴史的な発端は、1970年代後半に世界各国が一斉に導入した「200海里経済水域」の規制です。かつて日本の沖合漁船やトロール船は、ソ連(現ロシア)沿海州やベーリング海、東シナ海など近隣諸国の沿岸近くまで進出し、莫大な量のスケトウダラなどを漁獲していました。しかし、沿岸国の主権が及ぶEEZが確立されたことで外国船の締め出しが進み、日本の船団は活動領域を急激に狭められることになりました。

2. 海洋環境の激変と「レジームシフト(魚種交代)」

現場の漁師が肌で感じる最大の要因は、地球規模の海洋環境変化です。とりわけ深刻なのが、日本近海の海水温上昇と「黒潮大蛇行」の常態化です。

冷水性の魚であるサンマやサケは、水温の上昇によって日本近海に南下できなくなり、沖合遠くの公海へと回遊ルートを変えてしまいました。また、海洋には数十年周期で特定魚種のバイオマス(生物量)が爆発的に増減する「レジームシフト(魚種交代現象)」が存在します。昭和後期に大豊漁だったマイワシが平成期に激減し、代わりにマサバが増加、そして近年再びマイワシが急増するといった自然界の構造変化に、漁業者側の設備や操業体制が追いつかないジレンマが生じています。

3. 近隣諸国による公海での大型船先獲り競争

日本のEEZの外側に広がる北西太平洋の「公海」において、中国、台湾、ロシアなどの巨大冷凍設備を備えた大型トロール船・棒受け網船が急増しました。日本の沖合へ南下してくる手前の公海上で魚群を先獲り(プレエンプティブ操業)される構図が定着したため、日本の沿岸・沖合に到達する魚群そのものが激減したという現実があります。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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