東邦亜鉛安中製錬所は閉鎖したのか?巨大要塞の現在と安中貨物の真相
東邦亜鉛安中製錬所は閉鎖したのか?巨大要塞の現在と安中貨物の真相について見逃せない 理由を分かりやすく解説いたします。
製錬設備の停止に伴い、鉄道界にも激震が走りました。JR常磐線・武蔵野線・高崎線・信越本線を経由し、福島県いわき市の小名浜(泉駅)から安中駅までを結んでいた専用貨物列車、通称「安中貨物」の運行終了です。
安中貨物は、小名浜製錬所で輸入亜鉛精鉱を焙焼して粉状・粒状にした「亜鉛焼鉱」を安中製錬所へ送り、復路では製錬過程で生じる副産物を運ぶという、東邦亜鉛の拠点間サプライチェーンを支える大動脈でした。赤錆色の無がいホッパ車「トキ25000形」や、美しいシルバーとライトグレーの車体を誇る亜鉛焼鉱専用タンク車「タキ1200形」が電気機関車に牽引されて疾走する姿は、鉄道ファンのみならず沿線住民にとっても日常の名物風景でした。
しかし、安中製錬所での鉱石製錬終了に伴い、小名浜からの原料輸送そのものが不要となりました。2025年3月のダイヤ改正をもって安中貨物は惜しまれつつ定期運行を終了しました。信越本線安中駅構内に引き込まれていた専用側線では、かつて夜を徹して行われていた入換作業や車扱貨物の連結シーンは見られなくなり、線路際の静けさは時代の節目を痛感させます。
現在、タキ1200形などの専用貨車は役目を終えて順次整理が進められており、かつての輸送網はトラック輸送やコンテナによる個別物流へと切り替わっています。鉄路を介した豪快な原料大輸送は、日本の産業史・鉄道史の輝かしい1ページとして記録されることになりました。