マグロは止まると死ぬ?エラ呼吸の仕組みとラム換気法の真相を徹底解説
マグロは止まると死ぬ?エラ呼吸の仕組みとラム換気法の真相を徹底解説について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
マグロが常に泳ぎ続けなければならない宿命は、飼育や養殖の現場において極めて過酷なリスクとして立ち現れます。
東京都の葛西臨海水族園にある2,200トンの大型ドーナツ型水槽では、群泳するクロマグロの姿を間近で観察できます。飼育関係者の記録や海洋生物展示の報告書によると、マグロは夜間であっても消灯された暗闇の水槽内を止まることなく周回し続けています。
水槽飼育や生簀(いけす)養殖において最も警戒されるのが、アクリルガラス面やネットへの衝突事故です。突発的な光や振動でパニックを起こした個体が壁面に激突し、脳震盪や脊椎骨折を起こして前進運動を止めてしまうと、底面へと沈んでいきます。現場の飼育員やダイバーが救出に入り、手で支えながら人工的に前進させてエラに水流を送らない限り、個体は自力で呼吸を再開できず、そのまま酸欠で死に至ります。
また、延縄(はえなわ)漁で釣り針にかかったマグロも同様です。針にかかって暴れた末に前進の自由を奪われると、わずか数十分の拘束で換気不全を起こして急速に衰弱します。水揚げ時にすでに心停止しているケースが多いのは、怪我そのものよりもラム換気法が阻害されたことによる低酸素死が主因です。