必の書き順は大人の9割が誤解?1画目の正解と綺麗な書き方を徹底解説

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「自分は子どもの頃、左の払いから書くと教わった」「昔の書道教室では違う順番だった」と主張する大人が少なくありません。実は、この記憶はあながち完全な間違いとも言い切れない歴史的事情が存在します。

漢字の筆順が日本国内の学校教育で画一的に統一されたのは、昭和33年(1958年)に文部省(現・文部科学省)が編纂した『筆順指導の手びき』が契機でした。それ以前の日本や、漢字の本場である中国の古典書道においては、書き手の流派や書体(楷書・行書・草書)によって多様な筆順が存在していたのです。

筆順の分類・系統1画目〜5画目の筆順展開主な根拠・採用基準編集部の見解・実務上の扱い現行標準筆順
(文科省・教科書)①中央の点
②左払い(ノ)
③曲がり(乚)
④左の点
⑤右上の点文部省『筆順指導の手びき』
小学校4年生配当漢字
日本漢字能力検定(漢検)学校テストや漢検では唯一の正解。現代社会の公的標準として必須の知識。古典楷書筆順
(欧陽詢・顔真卿流)①左払い(ノ)
②左の点
③中央の点
④曲がり(乚)
⑤右上の点中国唐代の代表的碑文
『九成宮醴泉銘』等の字形骨格毛筆書道の古典臨書では正統とされるケースがあるが、小学校教育では減点対象。草書・行書筆順
(王羲之・空海流)①〜④で「心」を連続運筆
⑤最後に中央を斜めに貫く行草書の連綿体(筆脈)
王羲之『十七帖』など流れるような運筆に適した崩し字。大人が直感的に「心+払い」で書く心理的源流。

文部省が『筆順指導の手びき』をまとめた際、第1の目的は「初等中等教育において児童・生徒が混乱しないよう、1字につき原則1つの筆順を示すこと」でした。しかし、同手びきの緒言には「本書に示された筆順は、指導上の便宜的なものであり、これ以外の伝統的な筆順を誤りとして排斥するものではない」という趣旨の但し書きが明記されています。

つまり、文化的な教養としての書道においては古典由来の筆順も存在価値を有しますが、常用漢字書き順ルールに基づく現代の学校教育や入試、公的検定においては「中央の点から始まる5画」が唯一無二の正解として運用されています。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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