亡くなった配信者の真相と事故の背景|防げなかった悲劇を徹底検証

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生配信における最悪の事故として今なお国内外のメディアで言及されるのが、2019年10月に発生した富士山滑落事故です。ニコニコ生放送(ニコ生)で「雪の富士山へGO」と題した配信を行っていた男性は、登山道が冬季閉鎖され積雪が凍結した危険地帯へ、軽装かつ片手にスマートフォンを持った状態で侵入しました。山頂付近の急斜面で足を滑らせた瞬間、滑落していく視界が数秒間配信され、その後配信は途絶。翌日、標高約3,000メートル付近で遺体となって発見されました。

山岳関係者や報道各社の検証によると、アイゼンやピッケルといった冬山装備が著しく不足していたことに加え、「スマートフォンの画面に流れるコメントへ返信しながら歩行していたこと」が致命的な不注意を招いたと指摘されています。画面の向こうにいる数十人、数百人の視聴者とリアルタイムで繋がっている高揚感が、氷点下の現場に潜む圧倒的な死のリアリティを覆い隠してしまった典型例といえます。

また、海外に目を向ければ、視聴者からの投げ銭(ドネーション)を目的に度数の高いアルコールを短時間で煽る、有毒な昆虫や激辛調味料を生食するといった無謀な挑戦の末、急性アルコール中毒や心停止に至る事故も報告されてきました。「コメント欄が盛り上がっているから中断できない」という心理的拘束が、危機回避の本能を麻痺させてしまう力学が生配信には内在しています。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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