なぜ森駅のいかめしは売れ続ける?東京駅での入手法と温め方の極意

なぜ森駅のいかめしは売れ続ける?東京駅での入手法と温め方の極意について知っておくべき 理由を分かりやすく解説いたします。

「駅弁大会の絶対王者」と呼ばれる北海道・森駅の「元祖いかめし」。その象徴的な実績が、毎年1月に開催される京王百貨店 新宿店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」における驚異的な記録です。全国から選りすぐりの数百種類が集う同大会において、通算50回以上にわたり売上個数ランキング単独トップを獲得しており、会期中には連日長蛇の列が形成されます。

この名品が誕生したのは、太平洋戦争真っ只中の1941年(昭和16年)のことでした。当時、戦時体制下の配給制によって主食である米が極度に不足していました。その一方で、森港周辺の噴火湾(内浦湾)ではスルメイカが豊漁で安価に手に入ったのです。そこで、阿部商店の創業者たちが「わずかな米をイカの胴体に詰めて炊き上げれば、米を節約しながら腹持ちの良い弁当が作れるのではないか」と考案したのがいかめしの発祥・歴史の原点です。

食糧難を克服するための庶民の知恵から生まれた弁当は、やがて高度経済成長期のSLブームや鉄道旅行の普及に伴い、車窓の旅情を彩る名物として全国に知れ渡りました。秘伝のタレは創業以来継ぎ足しで使用され、イカの旨味が凝縮された深いコクが生み出されています。現在もなお生イカの胴体へ手作業でお米を詰めるという職人技が守られており、機械化できない丁寧な手仕事が、独特のもっちりとした極上の食感を支えています。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest