耳の下が痛い原因は?押すと痛い・しこりの正体と受診目安
耳の下が痛い原因は?押すと痛い・しこりの正体と受診目安の詳細について、最新情報を基に徹底解説します。
ネット上の相談窓口や知恵袋で目立つのが、「左右両方ではなく、右側(あるいは左側)だけが痛い」「熱が全く出ないのに耳の下がぽっこり腫れている」という悩みです。全身の感染症であれば両側に症状が出やすいはずですが、片側だけに発症し熱を伴わないケースには、特有の医学的背景が存在します。
耳の下が片側だけ痛む筆頭の理由は、物理的な管の閉塞(唾石症)です。唾液を分泌する管(導管)の中にカルシウムなどの結晶が固まり、石(唾石)が詰まる病気です。食事を始めると唾液腺から大量の唾液が分泌されますが、出口が塞がれているため管の内圧が一気に跳ね上がり、神経を圧迫して激しい痛みをもたらします。細菌感染を伴わない初期の唾石症では、体温は平熱のままで、食事時のみ片側の耳の下が風船のように膨らみます。
もう一つの盲点は、片側咀嚼や就寝中の歯ぎしりによる筋膜性疼痛です。食事の際に無意識のうちに片側の奥歯ばかりで噛む癖があったり、睡眠中に強い食いしばりをしていたりすると、耳の下を通る胸鎖乳突筋や咬筋の付着部にトリガーポイント(筋硬結)が形成されます。この筋肉の炎症は、熱を出さずに押すと飛び上がるような鋭い痛みを生じさせ、触知するとコリッとした筋膜の硬いしこりのように感じられることがあります。
さらに見過ごされがちなのが、耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)の初期症状です。水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節で再活性化する疾患で、皮膚に水疱(水ぶくれ)が出る2〜3日前から、片側の耳の奥や耳の下、首筋にかけてピリピリ・ズキズキとした強い神経痛が生じます。この段階では熱が出ないことも多く、単なる肩こりや偏頭痛と誤認されやすいため注意が必要です。