体心立方格子を完全攻略!充填率68%の導出と計算の盲点をプロが徹底解説
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入試問題において最も配点が高く、かつ合否を分けるのが「密度計算」です。密度計算の基本は極めてシンプルであり、「単位格子1個の質量」を「単位格子1個の体積」で割ること、これに尽きます。複雑に見える公式も、物理的な意味を順序立てて分解すれば迷うことはありません。
モル質量(原子量)を $M \ [\text{g/mol}]$、アボガドロ定数を $N_A \ [/\text{mol}]$、格子定数を $a \ [\text{cm}]$ と設定します。密度の算出手順を3つのステップで整理します。
- 単位格子に含まれる原子の総質量を求める
原子1個の質量は、モル質量をアボガドロ定数で割った $\frac{M}{N_A} \ [\text{g}]$ です。体心立方格子の単位格子には原子が2個含まれているため、単位格子全体の質量は次のようになります。 $$\text{単位格子の質量} = \frac{M}{N_A} \times 2 \ [\text{g}]$$ - 単位格子の体積を $\text{cm}^3$ 単位で求める
格子の1辺が $a \ [\text{cm}]$ の場合、単位格子の体積は単純に $a^3 \ [\text{cm}^3]$ です。
※もし問題文で格子定数が $d \ [\text{pm}]$ と与えられている場合は、必ず体積を計算する前に長さの段階で単位を変換します。
$$1\text{pm} = 10^{-10}\text{cm} \quad \longrightarrow \quad a = d \times 10^{-10} \ [\text{cm}]$$ 体積は $(d \times 10^{-10})^3 = d^3 \times 10^{-30} \ [\text{cm}^3]$ となります。この段階で指数を確実に外に出しておくことが計算ミスの防止につながります。 - 質量を体積で割り算して整理する
密度を $\rho \ [\text{g/cm}^3]$ とすると、立式は以下の形に一本化されます。 $$\rho = \frac{\text{単位格子の質量}}{\text{単位格子の体積}} = \frac{\frac{2M}{N_A}}{a^3} = \frac{2M}{N_A \cdot a^3}$$
この関係式さえ立てられれば、未知数が密度 $\rho$ であろうと、モル質量 $M$ であろうと、あるいはアボガドロ定数 $N_A$ の測定値逆算であろうと、等式変形だけで機械的に解を導けます。計算を素早くミスなく終わらせるコツは、「すべての数値を代入してから一気に約分する」ことです。途中で $a^3$ の小数計算などを単独で行うと、筆算の桁数が増えて計算ミスの温床になります。文字式のまま最後まで整理し、最後に数値をまとめて代入して約分を行うのが、難関大合格者の共通した計算手法です。