Jr九州デザイナー水戸岡鋭治の現在と引退の真相|ななつ星の哲学

Jr九州デザイナー水戸岡鋭治の現在と引退の真相|ななつ星の哲学の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

水戸岡デザインに関して、インターネット上ではしばしば誤解されているポイントが2点あります。

第1の誤解は、「水戸岡氏は潤沢な資金を使って贅沢な車両を作っている」という思い込みです。実際はその正反対であり、水戸岡氏の真骨頂は「徹底した低予算・再利用(リノベーション)」にあります。JR九州は民営化当初、本州3社(JR東日本・東海・西日本)に比べて経営体力が乏しく、新車を次々と投入する余裕はありませんでした。水戸岡氏が手がけた名作の多くは、国鉄時代から走っていた旧型気動車(キハ40系など)の内装を剥ぎ取り、地元の木材や布地を貼り直して蘇らせたものです。「予算がないからこそ知恵を絞り、最高の素材を部分的に配置して高級感を演出する」という引き算の美学が、D&S列車の本質です。

第2の誤解は、「JR九州の列車デザインしか手がけていない」という認識です。実際には、しなの鉄道の「ろくもん」、富士急行の「富士登山電車」、肥薩おれんじ鉄道、京都丹後鉄道「丹後くろまつ号」など、日本全国の第三セクター鉄道や地方私鉄の再生に携わってきました。さらに鉄道車両にとどまらず、熊本駅ビルの空間設計や幼稚園、図書館、客船の内装など、水戸岡氏の手がける建築デザイン作品は多岐にわたります。彼が一貫して追求しているのは「公共空間の質の向上」であり、鉄道はその表現手段の一つに過ぎません。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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