なぜ「シ」がHに?ドイツ音名一覧と読み方・覚え方をプロが徹底解説
なぜ「シ」がHに?ドイツ音名一覧と読み方・覚え方をプロが徹底解説についての最新情報をご紹介します。
ドイツ音名を学ぶ上で、絶対に混同してはならないのが「音名(Pitch Name)」と「階名(Syllable Name)」の概念的区別です。日本の初等音楽教育では「ドレミファソラシド」が両方の意味で使われてしまっているため、多くの人がここで思考停止に陥ります。
音楽理論(楽典)における明確な定義は以下の通りです。
- 音名(固定された絶対的な高さ):チューナーで測定される周波数(442HzのA音など)に紐づいた固有の名称。調性が変わっても音名は絶対に変化しません。ドイツ音名(C, D, E...)や英語音名(C, D, E...)、日本音名(ハ, ニ, ホ...)はすべて「音名」です。
- 階名(主音からの相対的な位置):調性(キー)の中で、その音がどのような役割(主音、属音、導音など)を果たしているかを示す相対的な名称。「移動ド」の考え方に基づき、長調であればどのキーであっても「主音(第1音)=ド」と呼び替えます。
たとえば「変ホ長調(Es-Dur)」の楽曲において、第1音である「Es(ミ♭)」の音は、音名としてはどこまでいっても「Es(ミ♭)」ですが、階名としては「ド」になります。合奏指導で「そこはミ♭(音名)で取って」と言われているのか、「主音のド(階名)として響かせて」と言われているのかを正しく聞き分けるリテラシーが求められます。