サクマ式ドロップス販売終了の真相|赤缶と緑缶の違いと現在の入手先

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創業114年の歴史を誇った佐久間製菓株式会社が、2023年1月20日をもって廃業したという一報は、東京商工リサーチの報道を通じて瞬く間に日本中を駆け巡りました。1908年(明治41年)に創業し、日本で初めて国産ドロップスの製造に成功したパイオニア企業が、なぜ看板商品の幕引きを選ばなければならなかったのか。その背景には、単なる「若者の飴離れ」では片付けられない、構造的な経営危機が存在していました。

帝国データバンクや東京商工リサーチが公表した財務データによると、同社の経営環境は2020年以降、急速に暗転していました。もともと安価な袋詰めキャンディやグミ、ソフトキャンディといった新興勢力との競合が激化しており、年間売上高は長期的な漸減傾向にありました。そこへ直撃したのが、2020年春からの新型コロナウイルス感染症拡大です。

外出自粛によって駅売店や高速道路SA・PA、観光地のみやげ物店における需要が蒸発。さらに、同社の売上を長年下支えしていた学校の遠足やイベント向け需要、寺社仏閣の行事用菓子などの大口発注が相次いでキャンセルされました。同社の2021年9月期決算では、売上高が約3億9,700万円にまで落ち込み、約1億5,100万円の大幅な最終赤字を計上していました。

致命打となったのは、2022年以降の歴史的な円安と国際情勢の急変に伴う原材料・包装資材・エネルギーコストの急騰です。ドロップの主原料である砂糖や水飴の調達コストが急激に跳ね上がり、伝統の金属缶を製造するためのブリキ資材や電気・ガス代もかつてない水準へ高騰しました。「1缶100数十円」という低価格帯で親しまれてきた商品特性上、急激なコスト上昇分をそのまま小売価格へ転嫁することは極めて困難であり、生産を続けるほど赤字が膨らむ逆ざや構造に陥ったのです。結果として、負債を抱えて破産に追い込まれる前に自ら暖簾を下ろす「自主廃業」を選択するに至りました。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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