大人の鼻血が片方だけ繰り返すのはなぜ?重大な病気リスクと受診の目安

大人の鼻血が片方だけ繰り返すのはなぜ?重大な病気リスクと受診の目安とは一体何なのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

耳鼻咽喉科の専門医が「片側だけの持続的な出血」に対して最も高い警戒レベルを設定する理由は、悪性腫瘍をはじめとする重篤な病変の初発症状であることが珍しくないためです。両側の鼻から同時に出血する場合は、乾燥や全身性の凝固異常が疑われやすいのに対し、病変が左右非対称に存在する疾患は、ほぼ例外なく「片側限定の症状」として現れます。

その筆頭に挙げられるのが、副鼻腔腫瘍と片側の鼻血の関連性です。特に頭頸部悪性腫瘍の中でも頻度の高い上顎洞がんの初期症状は、極めて無症候性に進行します。初期の段階では強い痛みが出ず、「少量の血液が混じった鼻水が片側だけから出る」「毎朝、右の鼻だけにかさぶたや暗赤色の血液がつく」といった軽微な異常から始まります。病巣が副鼻腔の骨を破壊して鼻腔内へ露出するにつれ、腫瘍表面の新生血管から持続的かつ不規則に出血を繰り返すようになるのが特徴です。鼻閉感や頬部のしびれ、歯のぐらつきが併発した段階では、すでに進行期に入っているケースも多いため、早期の段階で異常を察知することが予後を大きく左右します。

また、全身疾患の兆候として局所に現れるケースも看過できません。中高年以降に急増する高血圧症と動脈性出血は、鼻腔の後方に位置する蝶口蓋動脈(ウッドラフ部位など)が動脈硬化と高血圧の負荷に耐えきれずに破裂することで生じます。この場合、前方のキーゼルバッハ部位からのジワジワとしたにじみ出しとは異なり、喉の奥へ鮮血がドバドバと流れ込むような拍動性の大量出血となり、急速に血圧低下や窒息のリスクを招きます。

さらに、心房細動や深部静脈血栓症の治療で処方される抗凝固薬ワーファリンの影響やDOAC(直接経口抗凝固薬)、アスピリンなどの抗血小板薬を服用している患者では、正常な止血機構が薬理学的に抑制されているため、微小な粘膜の傷であっても出血が凝固せず長時間継続します。これに加え、原因不明の皮下出血(紫斑)や貧血、倦怠感を伴う場合は、造血機能そのものが破綻する白血病など血液疾患の疑いも浮上するため、迅速な血液内科的アプローチが不可欠となります。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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