王貞治はなぜ日本刀を振ったのか?一本足打法と短冊斬り特訓の真相
王貞治はなぜ日本刀を振ったのか?一本足打法と短冊斬り特訓の真相とはどのようなものなのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
シーズン中・オフを問わず、ナイター試合が終わった深夜や早朝に稽古が行われたのが、東京都荒川区にあった荒川コーチの自宅、通称「荒川道場」でした。その空間の異様さは、当時目撃した関係者全員が息を呑むほどでした。
王氏が擦り足と踏み込みを繰り返すため、部屋の畳は激しく擦り切れて藁(わら)が飛び散り、足の裏の皮がめくれて血が滲むことも日常茶飯事でした。さらに、極限の疲労と集中力の中で刀を振るため、時には切っ先が天井や鴨居(かもい)をかすめ、部屋中の木部に無数の刀傷が刻まれていたといいます。真剣を振るという行為は、一歩間違えれば自らの体を傷つける命がけの作業です。その緊迫感が、ペナントレースの重圧をものともしない強靭な精神力を育みました。