ハワイ語「オハナ」の真実|タロイモが紡ぐ血縁を超えた絆と深層
ハワイ語「オハナ」の真実|タロイモが紡ぐ血縁を超えた絆と深層にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
ハワイ語「オハナ」の真の意味を理解するには、ハワイアンの主食である植物「タロイモ(ハワイ語でカロ:Kalo)」を巡る神話と農業史を抜きには語れません。言語学的に分析すると、オハナは「オハ(ʻOhā)」と「ナ(-na)」という2つの要素に分解されます。
「オハ」とは、親芋の根元から次々と生え出てくる「タロイモの若芽(脇芽)」を指す言葉です。そして「ナ」は名詞を集合体・状態化させる接尾辞。つまり、オハナ語源の真相とは、「1つの根源となる親芋から無数に枝分かれし、命を繋いでいく若芽の集まり」という植物の生態そのものを表しています。
タロイモの栽培において、収穫された子芋の頂部を切り取って水田(ロイ:Loʻi)に再び植え直すと、そこからまた新たな命が芽吹きます。ハワイの創世神話『クムリポ』では、天の父ワーケアと大地の母パパの間に生まれた死産の子「ハーロア・ナカ」の亡骸から最初のタロイモが生え、その後に生まれた次男「ハーロア」が人類の始祖になったと伝えられています。
この神話が示すのは、「タロイモは人間の兄であり、人間は弟として兄を世話し、兄は弟の命を養う」という循環的な世界観です。オハナタロイモ由来の経緯には、親から子へ、先祖から子孫へと途切れることなく連綿と続く命の連鎖に対する畏敬の念が込められているのです。