世界三大美術館の3つ目はどこ?プラド対エルミタージュ論争を徹底解明
世界三大美術館の3つ目はどこ?プラド対エルミタージュ論争を徹底解明の疑問点について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
「世界三大美術館はどこを指すのか?」という問いに対し、世界中の美術関係者が一致して首肯するのは最初の2館です。年間800万人以上を集める絶対王者ルーヴル美術館と、新大陸アメリカの誇る百科事典的巨頭メトロポリタン美術館。この2つの不動の地位に対し、最後の1席を巡って繰り広げられてきたのがエルミタージュ美術館とプラド美術館の競合論争です。
エルミタージュ美術館を3つ目に推す最大の根拠は、その圧倒的なコレクション規模と宮殿建築の壮麗さにあります。ロシア・サンクトペテルブルクに位置する同館は、ロマノフ王朝のエカチェリーナ2世が収集したプライベートコレクションを母体として発足しました。冬宮をはじめとする豪奢な建築群には約300万点に及ぶ所蔵品が眠り、「展示作品を1点につき1分間眺めるとすべて観るのに10年以上かかる」と称されるほどの物理的スケールを誇ります。レオナルド・ダ・ヴィンチの『リッタの聖母』やレンブラントの傑作群を抱える総合芸術の殿堂としての説得力は絶大です。
一方、プラド美術館を「真の3つ目」として強く支持する専門家が拠って立つのは、「絵画作品の圧倒的な密度と質の高さ」という評価基準です。マドリードのプラド美術館は、歴代スペイン王室が莫大な財力と卓越した鑑賞眼をもって集めた絵画コレクションが中核を成しています。ディエゴ・ベラスケスの最高傑作『ラス・メニーナス』、フランシスコ・デ・ゴヤの『着衣のマハ』『裸のマハ』や『黒い絵』連作、さらにはヒエロニムス・ボスの『快楽の園』など、西洋美術史の分岐点となった絵画が驚異的な密度で並びます。ルーヴルやエルミタージュのような「歴史遺物・装飾品を含む総合博物館」ではなく、「西洋絵画の美術館」として厳選度を突き詰めた場合、プラドこそが世界最高峰であるという見解が根強く存在するのです。