なぜえこひいきは起きるのか?職場の実態と理不尽を打破する最新処方箋
なぜえこひいきは起きるのか?職場の実態と理不尽を打破する最新処方箋についての最新情報をお届けします。
えこひいきとは特定の相手だけを優遇することですが、一体なぜ起きてしまうのか。その背景には、優遇を行う側の未成熟な精神構造と、防衛的な認知バイアスが深く関わっています。
産業心理学や社会心理学の知見に照らすと、えこひいきを常態化させる上司や管理職には、共通して以下の3つの心理的トリガーが存在します。
第一に、「内集団バイアス(In-group bias)」と「類似性の法則」です。人間は本能的に、出身大学、趣味、性格、あるいは自分に対する態度の柔らかさなど、「自分に似ている要素」を持つ相手を無意識に「味方(内集団)」と認識します。反対に、自分と異なる意見を述べる自立した部下を「脅威(外集団)」と見なし、排除しようとします。公平な評価能力を欠く指導者ほど、自らの不安を打ち消すために「同質的なイエスマン」を周囲に集めたがります。
第二に、「自己愛の充足とコントロール願望」です。自己肯定感が低く、内心に強い自信のなさを抱えている人間ほど、権力を手にした際に「自分を無条件に肯定してくれる存在」を渇望します。自分を崇拝し、お世辞を言ってくれる部下をひいきすることで、自らの権威を再確認しようとする哀しい依存関係がそこに生まれます。
第三に、「認知的不協和の解消」です。一度「この部下は優秀だ」あるいは「こいつは気に入った」と判断してしまうと、その部下が失敗をしても脳がその事実を認めたがりません。自分の判断が間違っていたという不快感(認知的不協和)から逃れるため、ミスを「環境のせい」にすり替え、逆に嫌っている部下の成功は「単なる運」として過小評価するバイアスが固定化します。