生きとし生けるものの真実|文法の謎や語源と誤用の落とし穴を徹底解説

生きとし生けるものの真実|文法の謎や語源と誤用の落とし穴を徹底解説の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

「生きとし生けるもの」の意味を国語辞典などで紐解くと、「この世に生を受けているすべてのもの」「命あるすべての存在」と定義されています。単に人間だけを指すのではなく、動物、鳥、虫、魚など、脈打つ生命の全体を包括する極めてスケールの大きい言葉です。

この表現の起源は、遠く平安時代初期の延喜5年(西暦905年)頃に編纂された勅撰和歌集『古今和歌集』にまで遡ります。編纂者の中心であった紀貫之が執筆した有名な「仮名序(かなじょ)」の冒頭近くに、極めて印象的な一節として刻まれているのです。

「花になく鶯、水にすむ蛙の声をきけば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける」

春の花の梢で鳴くウグイスの声や、澄んだ水辺に響くカジカガエルの声を聞けば、この世に生きているすべての命あるもので、歌を詠まないもの(=心を声や形に表さないもの)がどうしてあろうか、という紀貫之の魂の叫びです。ここで使われた「生きとし生けるもの」というフレーズは、自然と調和しながら命の機微を愛でる日本人の精神的バックボーンを象徴する語句として、1000年以上の時を超えて受け継がれてきました。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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