竹内力「欲望の街」誕生秘話と現在|ミナミの帝王が放つ哀愁の真実

竹内力「欲望の街」誕生秘話と現在|ミナミの帝王が放つ哀愁の真実にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

「欲望の街」の音楽的骨格を語る上で欠かせないのが、作詞・作曲を手掛けたシンガーソングライター・BOROの存在です。名曲「大阪で生まれた女」をはじめ、関西の土着的な空気感と人間の泥臭い情念を描かせたら右に出る者はいない名匠が、竹内力という稀代の表現者と邂逅したことで、奇跡的なケミストリーが生まれました。

制作当時の関係者の証言によると、楽曲制作の発注にあたって提示されたテーマは「ミナミの夜の闇を切り裂く、本物のブルース」でした。当時、Vシネマという枠組みの中で急速に社会現象化しつつあった『難波金融伝 ミナミの帝王』のスケール感に見合う楽曲として、BOROは単なる歌謡曲のコード進行ではなく、憂いを帯びたマイナーコードの反復と、咽び泣くようなサックスやギターのフレーズを緻密に配置しました。

レコーディング現場では、竹内力の持つ圧倒的な肺活量と低音の響きを活かすため、過度なボーカルエフェクトを排除し、息遣いや言葉の語尾に残るかすれ声をそのまま生かすディレクションが取られたと伝えられています。竹内自身が持つ野性味と、BOROが紡ぎ出す繊細なメロディラインが正面からぶつかり合った結果、歌謡ポップスとも演歌とも異なる、ジャパニーズ・ハードボイルド・ソウルとも呼ぶべき独自のジャンルが確立されました。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest