映画『リンダ リンダ リンダ』色褪せない名作の秘密とキャストの現在
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映画『リンダ リンダ リンダ』が今なお熱烈に愛される最大の要因は、山下敦弘 監督作品特有の「引き算の美学」にあります。当時の多くの商業青春映画が採用していた「過度なお涙頂戴」「劇的な恋愛トラブル」「わかりやすい成長ドラマ」を徹底して排除し、放課後の気だるい空気、部室の独特な匂い、スタジオ練習での噛み合わなさといった、誰もが一度は通過した青春の解像度を極限まで高めてフィルムに焼き付けました。
物語の核となるのは、伝説的パンクロックバンドTHE BLUE HEARTS カバー曲への挑戦です。文化祭直前にギターの骨折とバンド分裂というアクシデントに見舞われた女子高生たちが、偶然見つけたブルーハーツのスコアから「リンダ リンダ」「僕の右手」「終わらない歌」を選曲。韓国人留学生を巻き込んで結成された劇中バンド パーランマウム(韓国語で「青い心=ブルーハーツ」の意)が、不器用ながらも音を重ねていくプロセスは、単なるサクセスストーリーを超えた「コミュニケーションの奇跡」そのものを体現しています。
映画評論家や海外フィルムフェスティバルからも「日本映画における最も誠実な青春のスケッチ」と称賛され、公開20周年を迎えた近年でもリバイバル上映や特集上映が各地で企画されるなど、その評価は年々高まりを見せています。