なぜ今も熱狂を生むのか?寺山修司のアングラ演劇と唐十郎との確執の真相
なぜ今も熱狂を生むのか?寺山修司のアングラ演劇と唐十郎との確執の真相とは一体何なのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。
寺山修司の才能は演劇にとどまらず、日本アート・シアター・ギルド(ATG)と提携した長編映画制作において世界的な評価を獲得しました。その代表作が『書を捨てよ町へ出よう』(1971年)と『田園に死す』(1974年)です。
『書を捨てよ町へ出よう』では、冒頭から画面の向こうの主人公が観客に向かって「おい、そこの暗闇で黙って見てるお前だよ」と挑発。映画という受動的なメディアを暴力的に破壊し、若者の鬱屈と疾走をサイケデリックな色彩とロック音楽で描ききりました。
一方、寺山自身の自伝的要素を極限まで戯画化した『田園に死す』は、恐山を背景にした美しい映像詩であり、精神分析的にも極めて重要な傑作です。本作の中心にあるのは「強烈な母子癒着」と「母殺し(家系図の切断)」のモチーフです。青年となった主人公が、過去の自分自身と対面し、自分を呪縛し続ける母親を殺害しようと試みるプロットは、抑圧された自己からの解放を試みる人間の普遍的な葛藤を浮き彫りにしています。