大人のてんかんはストレスが原因か?発作を招く誘因と初期症状の真相
大人のてんかんはストレスが原因か?発作を招く誘因と初期症状の真相についての真相をお届けします。
大人が精神的ストレスを強く受けた際、てんかんに酷似した発作を起こすもう一つの重要な病態が存在します。それが心因性非てんかん性発作との違いとして注目される「PNES(Psychogenic Non-Epileptic Seizures)」です。これは、解離性障害や身体表現性障害の一種であり、過剰なストレスやトラウマ、心理的葛藤が身体症状に置き換わって出現する機能性の発作です。
PNESの最大の特徴は、全身をバタバタと激しく動かしたり意識を失ったりするにもかかわらず、発作中の脳波には「てんかん性の異常波(突発波)」が一切出現しない点にあります。てんかんとPNESは外見上の判別が困難を極めるため、誤って多量の抗てんかん薬が投与されて効果が出ず、副作用に苦しむ事例が過去に報告されてきました。
さらに見過ごせないのが、てんかんと睡眠不足の関係です。慢性的な睡眠負債は脳波上の棘波(スパイク)を激増させ、真のてんかん発作を誘発する最大の物理的ファクターとなります。そのため、確定診断には専門的な生理学的検査が必須となります。
診断の要となるのが、脳神経内科やてんかんセンターで実施される成人てんかん脳波検査と費用です。通常の覚醒時・睡眠時脳波検査であれば、保険診療(3割負担)の適用で約3,000円〜5,000円程度で受診可能です。しかし、発作時以外の通常検査では異常波が検出されないケースが成人の2〜3割に上るため、確定診断のために数日間入院して発作時の映像と脳波を24時間同時に記録する「長時間ビデオ脳波モニタリング検査」が行われます。この場合の費用は、入院費や食事代を含めて3割負担で約30,000円〜60,000円が相場となります(高額療養費制度の適用対象)。正確な鑑別こそが、無用な服薬を防ぎ、根本的な治療戦略を立てる唯一の道です。