憧れの生ハム原木で後悔する理由とは?初心者の正しい選び方と保存術
憧れの生ハム原木で後悔する理由とは?初心者の正しい選び方と保存術の重要なポイントについて、専門知識を取りまとめてご紹介します。
生ハム原木を管理する上で、購入者が最もパニックに陥るのが「表面に発生するカビ」です。日本の高温多湿な気候は、乾燥した気候で熟成される生ハムにとって過酷な環境となり得ます。
まず理解しておくべき大原則として、生ハムの表面に生える白い粉状のカビや薄いアオカビは、熟成工程において自然に発生する微生物叢(ペニシリウム属など)の一部であり、内部の腐敗を意味するものではありません。スペイン現地の熟成庫でも原木はカビに覆われて熟成されています。決して丸ごとゴミ箱に捨ててはいけません。
カビを発見した際、および日々のメンテナンス手順は以下の通りです。
1. カビの除去と殺菌:
キッチンペーパーにエキストラバージンオリーブオイル、または高濃度の食用アルコール(パストリーゼ等)を染み込ませ、表面のカビを丁寧に拭き取ります。水拭きは水分を与えてカビの繁殖を加速させるため厳禁です。
2. 切り口の酸化・乾燥防止:
スライスし終わった露出断面には、最初に削ぎ落とした「黄色くない新鮮な白い外脂」をフタのように乗せ、その上からぴったりとラップを密着させます。脂がない場合は、オリーブオイルを断面に薄く塗り込んでからラップで空気を遮断してください。
3. 適切な保管環境:
直射日光とエアコンの直風を避け、室温15℃〜22℃、湿度60%前後の風通しの良い冷暗所に常温で設置します。夏場に室温が28℃を超える日本の夏期は、脂が酸化してドリップが流れ出し風味が劣化するため、エアコンの効いた部屋に置くか、骨なし原木であればジップロックに入れて冷蔵庫の野菜室で保管するのが鉄則です。