日本で一番長いトンネルはどこ?鉄道・道路の歴代順位と工事の真相

日本で一番長いトンネルはどこ?鉄道・道路の歴代順位と工事の真相とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

長大トンネルをめぐる情報には、ネット上で誤った認識や古い知識がそのまま拡散されているケースが少なくありません。代表的な3つの誤解を正しく整理しておきます。

誤解1:「道路で日本一長いトンネルは関越トンネルである」という思い込み

昭和から平成初期にドライブやスキーを楽しんでいた世代を中心に、「関越トンネルこそが道路日本一」と記憶している人は今も多く見られます。群馬県と新潟県の県境を貫く関越トンネル(上り約11.05km、下り約10.93km)は、危険物積載車両の通行が厳しく制限されるほどの難所であり、長年にわたり王座を守り続けました。しかし前述の通り、2015年に全線開通した山手トンネル(18.2km)が現在の日本一です。ただし、「山岳地帯を貫く山岳道路トンネル」という枠組みに限定すれば、現在も関越トンネルが国内最長を維持しています。

誤解2:「青函トンネルは世界一長いトンネルである」という認識

青函トンネルは開通以来、四半世紀以上にわたり「世界最長の鉄道トンネル」としてギネス記録に刻まれていました。しかし、2016年6月にスイスのアルプス山脈を貫く「ゴッタルド基底トンネル」(全長57.1km)が開通したことで、世界最長の座をスイスに明け渡しました。現在、青函トンネルは鉄道トンネル全体で世界第2位です。ただし、「海底トンネル」という条件に絞れば、現在も青函トンネルが世界最長の記録を保持しています(英仏海峡トンネルは海底部のみで37.9kmと海底部単独では上回るものの、総延長は50.5kmのため青函トンネルが上回ります)。

建設中のリニア中央新幹線「南アルプストンネル」の現在地

今後のランキングを塗り替える存在として注目されているのが、リニア中央新幹線のルート上に位置する南アルプストンネル(全長約25.0km)です。赤石山脈の直下、最大土被り(トンネル上部の地表までの厚み)が約1,400mという過酷な山岳地帯を貫く計画であり、完成すれば八甲田トンネル(約26.5km)に迫る山岳鉄道トンネルとなります。

しかし、破砕帯からの大量出水リスクや大井川の水資源問題、静岡工区をめぐる関係自治体との環境保全協議など、技術面・社会面において極めて慎重な対応が求められ続けています。青函トンネルの時代と異なり、現代のメガプロジェクトは環境負荷の極小化と地域社会との対話という高度な課題をクリアしながら前進しています。

【プロの結論】長大トンネル走行・利用で後悔しないための判断基準

交通ジャーナリズムの視点から、長大トンネルを快適かつ安全に利用するための客観的な判断基準を提示します。

  • トンネルルートを積極的に利用すべき状況:移動時間の短縮を最優先する場合、豪雪や台風といった悪天候時に峠越えを回避したい場合。トンネル内は気象変動の影響を受けにくく、定時運行の信頼性が極めて高いためです。
  • 長大トンネルの走行を避けるべき・慎重になるべき状況:重度の閉所恐怖を自覚しているドライバー、夜間走行の疲労が蓄積している状態での山手トンネル利用。万が一の渋滞発生時には長時間の地下拘束を強いられるため、体調に不安がある場合は地上一般道や外環道などの迂回ルートを事前に選定することが危機管理上推奨されます。
中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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