高齢者の水頭症は治る?見落とし厳禁の初期症状と最新治療
高齢者の水頭症は治る?見落とし厳禁の初期症状と最新治療の疑問点について、最新情報を詳しくお届けします。
診察で水頭症が疑われると、頭部MRIで脳室の拡大(DESHと呼ばれる特徴的な所見)を確認します。さらに、手術によって症状が回復するかどうかを事前に見極めるため、タップテスト(髄液排除試験)が実施されます。
タップテストは、腰椎の間から針を刺して脳脊髄液を約30ml一時的に抜き取る検査です。髄液を抜いた直後から数日間の間に歩行速度やふらつき、認知機能に一時的な改善が見られた場合、手術の有効性が極めて高いと診断されます。
手術治療では、脳室内や腰の脊髄腔から余分な髄液をお腹(腹腔)などへ逃がすチューブを皮下に通す「シャント手術」が行われます。現在主流となっている術式は以下の2つです。
- LPシャント術(腰椎腹腔シャント):腰の骨の間からお腹へ細いチューブを通す方法。頭蓋骨を開ける必要がないため身体への負担が少なく、高齢者でも安全に受けやすい利点があります。
- VPシャント術(脳室腹腔シャント):頭蓋骨に小さな穴を開けて脳室からお腹へ髄液を流す、従来から確立された基本術式です。
シャント手術費用とリスクについても正確な把握が必要です。手術および約1〜2週間の入院にかかる総医療費は100万〜150万円程度ですが、公的医療保険が適用されるため、70歳以上で1割〜2割負担であれば自己負担額は大幅に軽減されます。さらに高額療養費制度を利用することで、1ヶ月あたりの実質的な窓口支払額は一般所得世帯で数万〜十数万円程度に収まります。
一方、手術リスクとしては、術後の皮下出血や感染症、髄液が流れすぎることによる低髄液圧症候群や慢性硬膜下血腫などが挙げられます。しかし、近年のシャントバルブは体外から磁気を使って流量を微調整できるプログラマブルバルブが標準となっており、リスク管理の精度は格段に向上しています。