ワーキングプアは自己責任なのか?真面目に働く人が困窮する構造の罠
ワーキングプアは自己責任なのか?真面目に働く人が困窮する構造の罠について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
低賃金スパイラルから抜け出すためには、根性論で勤務時間を増やすのではなく、国や自治体が整備しているセーフティネットを実利的に使い倒す視点が欠かせません。日本には、生活保護に至る前の段階で生活再建を支える生活困窮者自立支援制度が各自治体に設置されています。
困窮から脱出するための具体的なステップとして、以下の3つの施策を組み合わせることが有効です。
1. 自立相談支援機関への早期アクセス:全国の市区町村に設置されている自立相談支援機関では、専門の相談支援員が家計の収支改善、債務整理の斡旋、一時的な住居の確保などを包括的にプランニングしてくれます。家賃の支払いが困難な場合には、原則3ヶ月(最長9ヶ月)家賃相当額を自治体が家主へ直接支給する「住居確保給付金」などのセーフティネットを活用し、生活の土台を固めることが先決です。
2. ハローワークの「求職者支援制度」を利用したリスキリング:雇用保険の受給資格がない非正規雇用者であっても、一定の収入要件を満たせば、月10万円の「職業訓練受講手当」と交通費の支給を受けながら、ITスキル、簿記、介護、CADなどの実践的訓練を無料で受講できます。生活費を工面しながら手に職をつけ、正社員枠への転職を目指す現実的なルートです。
3. 業界と商流の「川上」へのシフト:同じ労働量でも、属する業界の利益構造によって給与水準は劇的に変わります。人件費が徹底的に削られる下請け・多重派遣の現場から、インフラ系、BtoBのニッチトップメーカー、あるいは公的資格が必須となる専門職など、資本の川上に位置する領域へ身を移すことが、長期的なワーキングプア脱出の根本治療となります。