あいみょん『ハルノヒ』なぜ北千住?ひろしプロポーズの真相と聖地解剖
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『ハルノヒ』は、2019年4月に公開されたアニメーション映画『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の主題歌として書き下ろされた。当時、自身も大のしんちゃんファンであることを公言していたあいみょんは、オファーを受けた際に「単なる映画のタイアップソングには絶対にしない」という並々ならぬ熱量で制作に臨んだと当時の音楽メディアのロングインタビューで述懐している。
彼女が選択したのは、一般的なタイアップ曲にありがちな「子ども向けのアニメーションに寄せた明るい曲調」ではなく、「ひろしからみさえへの熱烈なラブレターであり、家族の歩みを振り返る視点」という徹底したストーリーテリングだった。歌詞に散りばめられたフレーズは、原作への深い敬意に満ちている。
例えば、象徴的な「北千住駅のプラットホーム 銀色の改札」という情景。通勤ラッシュの冷たい改札機を抜けた先にある、未来へのわずかな希望と不安。さらに「いつかは鼻で笑い合えるような狂騒」という言葉には、やがて生まれてくるしんのすけとのドタバタした騒々しい日常が予見されている。そして楽曲タイトルの『ハルノヒ』自体も、しんちゃんたちが暮らす「春日部(かすかべ)」の「春」と、暖かな日差しを重ね合わせた鮮やかなダブルミーニングだ。表面的な流行を追うのではなく、原作の血肉となった設定を愚直なまでに掘り下げる職人的なアプローチこそが、この楽曲をマスターピースへと押し上げた。