ラボラトリオ オルファティーボの真相|ニードユーが人を魅了する理由

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イタリア発のニッチ香水「ラボラトリオ オルファティーボ」がなぜここまで人を惹きつけるのか――その根源を探ると、従来の香水業界が抱えていた商業主義への静かな叛逆が見えてきます。2009年、ロベルト・ドラゴとダニエラ・カエオン夫妻によって設立されたこのブランドの最大の特徴は、徹底した「調香師への自由の委託」にあります。

大手ラグジュアリーブランドの香水開発では、綿密な市場調査、ターゲット設定、莫大な広告費配分が先行し、調香師に課されるコストや処方の制約は極めて厳格です。しかし、ラボラトリオ オルファティーボでは「売れる香り」を調香師に強要しません。ルシアン・フェレーロやジャン=クロード・エレナ、マリー・デュシェーヌといった名だたるマスターパフューマーたちに対し、「あなた自身の感情と芸術性を表現してほしい」と白紙のキャンバスを差し出すのです。

取材に応じた国内のフレグランスバイヤーは次のように証言します。「このブランドのボトルには、華美な装飾が一切ありません。薬瓶を思わせるミニマルなガラス瓶にシンプルなラベルが貼られているだけです。これは、外装コストを極限まで削り、中身の香料そのものに惜しみなく投資している証拠です。香りをひと吹きした瞬間に鼻腔を満たす豊潤さと透明感の同居は、大量生産のフレグランスでは決して味わえません」。

トレンドを追うのではなく、調香師の個人的な記憶や情景を形にした香りは、身につける人の内面に深く語りかけます。「他人と被りたくない」「自分自身のシグネチャーとなる香りを纏いたい」という美意識を持つ層にとって、この飾らない実験室の哲学こそが、抗いがたい引力となっているのです。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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