大貫妙子と坂本龍一が生涯紡いだ絆と名盤『Utau』誕生の真相

大貫妙子と坂本龍一が生涯紡いだ絆と名盤『Utau』誕生の真相を詳しくリサーチ! 知っておきたい 重要ポイントを凝縮して配信します。

二人の関係性を語る上で外すことができない到達点が、2010年11月にリリースされた共同名義のアルバム『UTAU』です。坂本さんがこれまでに発表してきた数々のインストゥルメンタル名曲に、大貫さんが自ら歌詞を書き下ろして歌唱するという、きわめて過酷で贅沢なプロジェクトでした。

このアルバムが誕生した直接のきっかけは、2009年に行われた坂本さんのピアノ・ソロツアーに大貫さんがゲスト出演したことでした。互いに年齢を重ね、余分な装飾を削ぎ落としたステージで、ピアノ一台と声ひとつだけで成立する世界の可能性を確信した二人は、すぐさま本格的な共同制作へと舵を切ります。

制作現場の空気は、穏やかな同窓会とはかけ離れた凄まじい緊張感に包まれていました。大貫さんは後に手記や音楽誌のインタビューで、「坂本さんのピアノは、一音一音にものすごい情報量と哲学が詰まっている。そこに言葉を乗せることは、自分自身を丸ごと試される刃物のような時間だった」と吐露しています。

代表曲「美貌の青空」や「Tango」、映画『鉄道員』の主題歌、そしてNHK『みんなのうた』でも愛された「3びきのくま」など、全曲がほぼ一発録音に近い形でレコーディングされました。アルバムを携えて敢行された全国ツアー「A PROJECT OF TAEKO ONUKI & RYUICHI SAKAMOTO UTAU TOUR 2010」では、観客が息を呑むほどの静寂と濃密なダイナミズムが全国のホールを支配し、日本音楽史に刻まれる伝説のステージとなりました。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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