山本七平が喝破した日本の病理|空気の研究と名著の真相に迫る

山本七平が喝破した日本の病理|空気の研究と名著の真相に迫るを徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを分かりやすく展開します。

1970年、日本の出版界に激震が走りました。「日本人は安全と水と平和はタダだと思っている」というあまりに有名な一節で幕を開けた『日本人とユダヤ人』は、たちまち300万部を超える空前のメガヒットを記録。第2回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、一大社会現象を巻き起こしました。

しかし、著者の肩書である「ユダヤ人実業家イザヤ・ベンダサン」は、公の場に一切姿を現しません。当時、訳者としてメディアの矢面に立ち続けたのが、キリスト教系の専門出版社「山本書店」を営んでいた山本七平その人でした。

長年にわたり「ベンダサンの正体は誰なのか」という議論が文壇で紛糾しましたが、後年の研究や関係者の証言、さらに文藝春秋の『山本七平ライブラリー』における解題などを経て、イザヤ・ベンダサンの正体・真相は「山本七平自身による事実上の著作、あるいは山本を中心とするグループワーク」であったことが定説となっています。

なぜ山本は、架空のユダヤ人というペルソナを纏わなければならなかったのでしょうか。そこには「日本人自身が自国を客観視することの圧倒的な難しさ」に対する、周到な戦術がありました。外からの視線、それも厳格な契約と律法に生きる一神教徒のレンズを通すことで初めて、日本人が無自覚に信奉する暗黙のルールを浮き彫りにさせたのです。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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