親学とはなぜ批判されたのか?発達障害をめぐる炎上と現在を徹底追跡

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国政での波紋と並行して、地方自治体でも親学をめぐる激しい対立が勃発しました。その象徴的な事件となったのが、2012年5月に大阪維新の会の市議団が提出を試みた「家庭教育支援条例案」です。

提出された草案には、「乳幼児期の愛着形成の不足が発達障害の要因になる」「携帯電話やゲーム機の利用を制限し、伝統的な育児を行うべき」といった親学の理論がそのまま条文に反映されていました。この法案内容が報道によって外部に流出すると、市民や当事者団体から怒号に近い抗議が殺到しました。当時の大阪市長兼大阪維新の会代表であった橋下徹氏は、批判の激しさと内容の非合理性を認め、「党としての統一見解ではなく、一部議員の暴走であった。条例案は完全に白紙撤回する」と表明し、公の場で謝罪する事態に追い込まれました。

なぜ、これほどまでに親学は政治の場で推進されたのでしょうか。その背景には、保守系政治運動組織である「日本会議」との密接な連携があります。親学推進協議会の主要幹部や高橋史朗氏は日本会議の役員や政策委員を兼任しており、「教育基本法の改正」「憲法改正運動」と歩調を合わせる形で、「戦後失われた家族の絆を取り戻す」というイデオロギー運動の一環として親学が位置づけられていました。

大阪での条例案頓挫以降、「親学」という名称自体は強い批判を浴びたため表舞台から退いたものの、推進派は戦略を変更しました。名称を「家庭教育支援条例」や「家庭教育支援法」へと偽装・軟化させ、地方議会(熊本県、愛知県、埼玉県など)で可決を成立させるなど、別のルートを通じて政策実現を狙う動きが水面下で続けられたのです。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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