世界が奪い合う東北の手仕事、受け継がれる美と現場が抱く覚悟
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だが、輝かしい評価の足元は揺らいでいる。産地を支えてきた熟練職人の引退が相次ぎ、技術の継承は文字通り時間との闘いだ。重要無形文化財保持者(人間国宝)の手による至高の技法であっても、弟子入りを希望する若者の受け入れ態勢や経済的基盤が整っていなければ、一世代で途絶えてしまう危機感を孕んでいる。
「技術があっても、生活が成り立たなければ若者は残らない」と、ある木地師は吐露する。数年間の過酷な下積みを強いる徒弟制度から脱却し、工房の法人化や固定給制の導入、副業を認めるオープンな組織作りへと舵を切る工房も出始めた。技を神聖化して閉ざすのではなく、産業として成立させるための構造改革が各地で泥臭く進められている。