爪の異変は高血糖の警告?見逃せない初期症状と危険度チェック
爪の異変は高血糖の警告?見逃せない初期症状と危険度チェックとはどんな影響があるのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
糖尿病患者の足元で頻繁に遭遇する病変の一つが爪白癬(つめはくせん)、いわゆる爪の水虫だ。健康な状態であれば皮膚のバリア機能によって防がれる白癬菌の侵入も、免疫機能が低下した高血糖下では容易に許してしまう。爪が白濁して厚く盛り上がり、先端からボロボロと剥がれ落ちていく。白癬菌自体が直接命を奪うわけではないが、糖尿病を背景に持つ場合は話が別だ。
さらに警戒すべきは「ボー線条」と呼ばれる爪の横溝である。全身性の代謝不全、極度の栄養障害、あるいは急性感染症などを契機に爪の成長が一時的に停止した痕跡として刻まれる。これが足の親指だけでなく複数の指に同時発生している場合、過去数か月の間に身体が深刻な代謝ストレスに晒された動かぬ証拠となる。
深刻なのは、合併症である糖尿病性末梢神経障害が併発している場合だ。神経が麻痺しているため、分厚くなった爪が皮膚を圧迫して傷口ができても、激しい炎症を起こすまで本人がまったく気づかない。傷口から細菌が侵入し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や骨髄炎へと波及するケースは日常の診療でも散見される。