ホルモンの覚え方を徹底解剖!下垂体や副腎も丸暗記不要の完全攻略法
話題沸騰中の ホルモンの覚え方を徹底解剖!下垂体や副腎も丸暗記不要の完全攻略法について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。
ホルモンの作用を整理する上で、最も強力な記憶のアンカー(錨)となるのが「生命進化のストーリー」です。特に血糖値と血圧のコントロールは、国試・定期テストを問わず最頻出のテーマです。
血糖値を下げるホルモン 働きと多重防護の理由
人体において、血糖値を下げるホルモンは膵臓ランゲルハンス島B(β)細胞から分泌される「インスリン」のただ1つしか存在しません。一方、血糖値を上げるホルモンは、グルカゴン(膵臓A細胞)、アドレナリン(副腎髄質)、コルチゾール(副腎皮質)、成長ホルモン(下垂体前葉)、チロキシン(甲状腺)など、幾重にも用意されています。
なぜこのような非対称な構造になっているのでしょうか。人類が誕生してから数百万人もの歴史のなかで、生命が直面し続けた最大の危機は「飢餓」でした。血糖値が下がりすぎる低血糖(約50mg/dL以下)は、中枢神経へのエネルギー供給を断ち、即座に死を意味します。そのため、人類は血糖値を引き上げるホルモンを何重にも進化させてバックアップ体制を築きました。
反対に、飽食によって高血糖に悩まされるようになったのは、人類の歴史上ここ数十年の出来事にすぎません。進化の過程で「血糖値を下げる機構」を複数用意する必要性がなかったため、インスリン1系統しか備わっていないのです。インスリンは筋肉や脂肪組織へのブドウ糖取り込みを促進し、肝臓でのグリコーゲン合成を促します。この「飢餓への適応史」を理解していれば、血糖調節ホルモンを丸暗記する必要は一切なくなります。
血圧・体液調節の主役「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)」
血圧低下や循環血液量の減少を感知した腎臓の傍糸球体装置から「レニン」が分泌されます。レニンは肝臓由来のアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに変換し、肺胞上皮のACE(アンジオテンシン変換酵素)によってアンジオテンシンIIへと活性化します。
アンジオテンシンIIは自ら強力な血管収縮作用を発揮するとともに、副腎皮質を刺激してアルドステロンを分泌させます。アルドステロンは腎臓の遠位尿細管・集合管に作用し、「Na⁺の再吸収促進(浸透圧で水も一緒に回収)とK⁺の排泄」を行います。結果として体内循環血液量が増加し、血圧が回復します。ここに脳下垂体後葉からのバソプレシン(水チャンネルのアクアポリン2を介した水のみの再吸収)が協調して働くことで、生体の血圧・浸透圧バランスが維持されます。