前川製作所本社ビルの全貌|江東区牡丹の200年建築とアクセスを徹底解説
前川製作所本社ビルの全貌|江東区牡丹の200年建築とアクセスを徹底解説の総合ガイドをご紹介します。専門的な知識が詰まっています。
前川製作所本社ビルの構造を語る上で欠かせないのが、「200年建築」という前代未聞の開発テーマです。現在の社屋は、同社の創業80周年記念事業の一環として大規模な本社建て替えが断行され誕生しました。施工および建築設計を手がけたのは総合建設大手の大成建設です。
一般的な日本のオフィスビルは、税法上の耐用年数やスクラップ・アンド・ビルドを前提とした設計により、およそ40年から50年スパンで更新されるのが通例です。しかし前川製作所が求めたのは、長期間にわたって躯体を健全に維持し、内装や設備をフレキシブルに更新し続けられる「スケルトン・インフィル」の思想でした。強靭な耐震性能と最新の免震・制震技術、そして環境負荷を極限まで低減させる省エネルギー手法が各所に織り込まれています。
さらに注目すべきは、運河沿いの自然環境と地域コミュニティに対する建築的な回答です。本社ビルの敷地は高い塀で外部を遮断するのではなく、川べりの散歩道から敷地内の緑地空間へと歩行者が自然に通り抜けられるオープンなランドスケープが形成されています。単なる自社ビルにとどまらず、街の公共空間として息づいているこの新社屋は、完成以降にグッドデザイン賞をはじめとする権威ある建築アワードを多数受賞し、業界内でも高く評価され続けています。