耳たぶの斜めシワは心筋梗塞の前兆?動脈硬化リスクと受診の目安【2026年最新】
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耳たぶに生じる斜めの溝は、医学界では「フランク徴候(Frank's sign)」と呼ばれています。この現象は1973年、アメリカの医師サンダース・T・フランク(Sanders T. Frank)博士が学術誌『New England Journal of Medicine』に発表した報告に端を発します。フランク博士は、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患を抱える患者の耳たぶに、高い頻度で耳珠から耳垂の後下方に伸びる斜めのシワが観察されることを突き止めました。
耳たぶ(耳垂)は骨や軟骨が存在せず、主に脂肪組織と微小な終末毛細血管で構成されています。加齢や生活習慣病によって全身の動脈硬化が進行すると、末梢血管の血流量が著しく低下します。その結果、耳たぶの皮膚や脂肪を支えている弾性線維(エラスチンやコラーゲン)への栄養供給が滞り、組織の萎縮と皮膚の陥凹が引き起こされます。これが、耳たぶに斜めのしわができる根本的な生化学的理由です。
心臓を取り囲んで血液を送る冠動脈もまた、耳たぶと同様に終末血管の性質を持っています。そのため、「耳たぶの血管に生じた変化は、心臓の冠動脈で起きている動脈硬化の鏡である」と考えられており、血管年齢の急激な進行や心臓病の前兆を捉える身体所見として活用されています。