親知らずが急に痛い!夜間の激痛を即緩和する応急処置と抜歯の基準
親知らずが急に痛い!夜間の激痛を即緩和する応急処置と抜歯の基準に関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。
親知らずの炎症を「たかが歯の痛み」と甘く見ていると、時に命に関わる重篤な病態へと進展します。特に警戒すべきは、開口障害(口が指2本分以上開かない状態)と顎下部・頸部への腫れの波及です。
下顎の親知らずの周囲には、咀嚼筋(咬筋や翼突筋)や頸部の筋膜群が密集しています。感染が歯槽骨の境界を破って筋膜隙に広がる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」を起こすと、筋肉の攣縮によって口が開かなくなります。さらに感染が喉の奥(咽頭側隙)や胸部(縦隔)へと下降すると、気道を圧迫して呼吸困難を引き起こす「降下性壊死性縦隔炎」に発展し、致死的な事態を招きかねません。
患者の間で最も判断が分かれるのが「腫れた部位を冷やすべきか、温めるべきか」という問題です。結論として、激痛期に冷えピタや氷嚢で患部をキンキンに直接冷却する行為、ならびに温熱シートや風呂で温める行為はどちらも誤りです。
氷などで過度に急冷すると、毛細血管が収縮して局所の血流が途絶え、白血球などの免疫細胞が病巣に届かなくなります。その結果、細菌の活動が優位になって治癒が遅れ、最悪の場合は組織が硬結化してしこりとして残ります。逆に温めてしまうと、炎症反応が爆発的に加速し、拍動痛と腫れが悪化します。正解は、水で濡らしたタオルや冷水に浸した布を頬の外側から当て、室温よりわずかに低い程度の穏やかな冷却感を与えることです。
もし「38度以上の発熱がある」「つばを飲み込むと喉に激痛が走る」「顔の輪郭が変形するほど腫れ上がっている」という症状が出現した場合は、朝を待たず自治体の歯科医師会が運営する夜間休日救急診療所や、大学病院の救急外来(口腔外科)へ直ちに向かってください。