香典の金額は横書きで算用数字Ok?中袋マナーとボールペンの真相
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「香典=薄墨」というイメージが定着しているあまり、中袋の小さな住所欄や金額欄までかすれた薄墨の筆ペンで書こうとして、文字が潰れてしまった経験はないでしょうか。大手葬儀会社の関係者や遺族の手記を紐解くと、この点に関して驚くほど一致した本音が浮かび上がってきます。
実務上の鉄則として、外袋の表書き(「御霊前」「御香典」や会葬者の氏名)は薄墨の筆ペンを用い、中袋の氏名・住所・金額は黒のボールペンや黒のサインペンで書くのがベストです。万が一にも、鉛筆や消せるボールペン(フリクション等)を使ってはいけません。
「薄墨」には「突然の訃報に涙で墨が滲んでしまった」「急ぎ駆けつけたため墨を十分に磨れなかった」という故人を悼む情緒的な意味が込められています。しかし、これはあくまで祭壇に供えられる外袋の作法です。遺族が葬儀翌日から向き合うのは、香典袋を開封し、芳名帳と突き合わせ、香典返しの発送先リストを作成するという膨大な事務作業です。
都内の葬儀社に勤務するベテランディレクターは、取材に対して次のように現場の実情を明かしています。
「受付の裏手や葬儀後のご遺族控室では、薄墨の崩し文字で書かれた郵便番号や番地が読めず、電話番号も判読できずに立ち往生するケースが後を絶ちません。後日のお礼状や香典返しの手配を滞りなく進めるためにも、中袋にはくっきりとした黒のボールペンや細字サインペンで、丁寧な楷書体を書いていただくのが最も遺族への思いやりに適っています」
マナーの形式を重んじるあまり相手に解読の労力を強いるのは、弔意の本質から外れてしまいます。「外は薄墨の弔意、中は黒ペンの正確さ」という使い分けこそが、現代社会において最も理にかなった作法です。